経営コンサルタントが教える、街で見かけたうまい集客の方法Vol.3(タイ編)

こんにちは!このシリーズも今回で、連載3回目を迎えることができました。これも読者の皆様のおかげです。本当に感謝しております。

さて今回の「街で見かけたうまい集客の方法」ですが、特別企画としてタイ編をお送りいたします。日本とは違った文化を持つタイ王国。そんな海外の文化に触れながら、ビジネスのヒントを一緒に見ていきましょう。


 

タイ人のメンツが激突!?住宅街で繰り広げられるコンビニ顧客獲得バトルか?

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まずはこちらの写真をご覧ください。ここはタイの首都バンコクより南西へおよそ120キロのところにあるビーチリゾート地「パタヤ」という町の住宅街の一角です。

信号のない小さな交差点に、日本でもおなじみのセブンイレブンがあります。そして道路を挟んだ、向かい側に同じコンビニが並んでいます。日本では競合してしまいそうな位置関係です。

そして、左側のセブンイレブンのさらに左手にはロータス(http://www.tescolotus.com/home)があります。ロータスとは主に食料品と雑貨を扱うスーパーです。

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こちらの店舗はミニスーパーという位置付けのようですね。店舗規模は隣のセブンイレブンとほぼ同等です。

 

コンビニの前に、屋台が3件も!?彼らは何を考えてこの地で商売をやっているのか?

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このセブンイレブンの前にあるのが、タイでは普通の光景の「屋台」です。しかも同じ敷地内に3件並んでおります。

 

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こちらは隣のロータスの前の屋台の光景です。こちらの店舗前にも3店舗屋台が並んでおります。

コンビニや屋台同士で競合するのに一体彼らは何を考えて、ここで商売をしているのでしょうか。そもそもビジネスとして成り立っているのでしょうか?

 

共存共栄して、それぞれ店舗で相乗効果を期待!

ここでまず、タイの屋台文化について、少し触れておきましょう。いたるところに屋台があるタイですが、費用が安くて手軽に食べられるため、タイ人の胃袋を屋台が支えていると言っても過言ではありません。また、パタヤの住宅事情に目を向けてみると、特にアパート(日本で言うマンション)は、キッチンが無い部屋が一般的です。

このような文化背景からか、毎食を外食で済ませたり、部屋で食べるにしても屋台で買って、持ち帰って宴会というケースも少なくありません。そういう文化がわかると、この、一見無謀ともいえる出店攻勢がうまく共存共栄していることが見えてきます。

 

バイタクの溜まり場が、駅の役割を果たしていた!!

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一年中暑いタイですが、暑い中歩きたくないのは誰しもが思うことですよね。そうすると、タクシーを使いたくなります。そして、面倒臭がり屋が多いタイ人気質のせいなのか、少しの距離でもバイタクを使います。バイタクとはバイクタクシーの事で、細かい路地の入り口あたりに大体数台が待機しております。当然、この交差点にもバイタクの溜まり場が、手前側と向かい側に二箇所あるのです。これを日本に置き換えて考えてみると、駅前の商圏に近いかと思います。つまり、駅の役割をこの交差点が果たしているというわけです。

バイタクの乗降をしている人の動きを見ていると大体行動パターンが同じです。まず屋台で何かを注文しています。そこからコンビニへ入っていきます。ちょっとした買い物はコンビニで済ませるところは日本と同じですね。買い物が終わってコンビニから出てきて、屋台で頼んだものを受け取り、帰路についているようです。中には、コンビニには寄らずにロータスでまとめ買いする人もちらほら。。。こちらはコンビニよりちょっと安めの値段設定ですから、ものによってはロータスという選択肢もあるのでしょうね。

屋台はその場で調理していますので「視覚、聴覚、嗅覚」が刺激されます。特に、目の前の美味そうな香りには、かなりの訴求力があるといえます。だけど、毎日同じ屋台だと飽きてしまう。そこで、コンビニとロータス前の合計6軒あれば、ローテーションすることで、飽きずに食事をとることができます。そして、目の前にはコンビニ。大概のものはここで揃います。まとめて買ったほうがお得なものは、隣のロータスで購入というのも便利ですよね。

これって、何かに似ていると思いませんか?日本で言えば、まさにショッピングモールの仕組みに似てますよね。一箇所に集まることで集客力が増し、相乗効果が狙えるのです。ショッピングモールは商圏が広いですが、これをものすごくコンパクトにすることで、生活圏を商圏としたニッチな市場でビジネスをしていることが伺えます。


いかがでしたでしょうか。人の動線や購買心理をうまく加味すると、その相乗効果を期待することができます。ぜひ、あなたのビジネスにも取り入れてみてくださいね!

 

 

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